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逢いたかったよ、フルベ族★ 

 フルベ族(フラニ族、プル俗、フラ族とも)・・・ とは、サハラの南の国々、西はモーリタニアから東はカメルーンまで、西アフリカに広く分布する民族。遊牧民を起源とし、現在でも多くが牧畜を営んでいます。黒人ともベルベル系ともアラブ系とも異なり、独特の言語体系を有し、豊富な民話を継承しています。

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写真1)フルベ族の女性。マリのジェンネで出会ったファテマタさん。口元の刺青はフルベ女性のお洒落です。

 2つ前のエントリーでちょっと触れましたが、私、フルベ族に興味があったのです。西アフリカで彼らに出会うことを楽しみにしていました。

 私がフルベ族を知ったきっかけは・・・、2003年のこと。職場でツアー用の資料を作っていたら、その資料に載っていました。私が勤めていた会社は西遊旅行、知っている人は知っている秘境旅行のパイオニアです。そのツアーは、リビア南部の『タドラール・アカクス』という岩山地帯を訪れるツアーでした。
 リビアの『タドラール・アカクス』や、国境を挟んで西側・アルジェリアの『タッシリ・ナジェール』一帯には、1万年前から現在に至るまでの、数千点に及ぶ“壁画”が残されています。それらの壁画を残したのは、この地に暮らした人々。住居に使われていたであろう、岩山の斜面の窪みなどに絵が描かれています。それらの絵からは、サハラの1万年の歴史と、当時の人々の暮らしぶりが伺えます。

 知ってますよね? サハラは昔、緑の大地だったんです。

 2004年と2005年、私はリビアやアルジェリアで、サハラ最深部の乾ききった大地に刻まれた、サハラの緑の記憶を沢山見てきました。海外出張(添乗)には何度も出ていますが、このサハラ最深部の壁画を見学に行くツアーが、私の一番のお気に入り(思い出)となっています。

 そこには、“信じ難い”光景が広がっています。つくしのような岩が林立し、壁のような岩山がどこまでも続き、巨大な大地の裂け目があり、見渡す限りの大砂丘の海があり・・・。太陽と風が生み出した、極度に乾燥・風化した美しい世界です。私が好んで使っている“サハラ最深部”という表現は、海から最も遠い場所という意味のみならず、サハラが最も深い魅力を持つ場所という意味も込めて使っています。

 極めて過酷で、極めて美しい世界です。そんな場所に、かつて緑があり、豊富な水があったというのですから・・・。壁画は必見です!!


 どんな壁画なのか?といいますと・・・

 1万年前頃に描かれた絵には、象やキリンなど、現在この地では見られなくなったサバンナの大型動物が描かれています。またワニなどの水辺の動物の絵もあり、この地が水と緑の豊かな土地であったことの証拠です。人間が描かれているものは拙いタッチですが、狩猟の光景だと思われるものが多く、人々の暮らしが狩猟・採集で成り立っていたことが解ります。
 6千年前以降に描かれてた絵には、牛を追う人々の姿が多くあります。狩猟の絵もまだ描かれていますが、人々の暮らしが狩猟・採集から、牧畜が中心の暮らしに変わったことを物語っています。暮らしが豊かになったことが影響しているのか?この頃の絵には、美術的な進歩が見られます。ディテールに富み、躍動感溢れるものが珍しくありません。モチーフは、牧畜風景に限らず、舞踏、川で戯れる人々、ヨットに乗る人々、野生動物、戦争、神(?)などなど、その題材も豊富です。
 4千年前以降に描かれた絵には、馬車が登場します。もともとこの地に馬はいませんでした。オリエント発祥の馬車を駆り、地中海系の民族がこの地まで南下してきたことを物語っています。この馬車に乗ってやって来た民族はガラマンテス人。サハラの北に王国を建国します。アカクスの北には、その頃の王都と思われる遺跡が残っています。馬車の絵は、奴隷狩りの光景だと考えられていて、馬車を引く馬の溢れる躍動感は、とても印象的です
 2千年程前から現在にかけて描かれた絵には、牛の姿も馬の姿もありません。あるのは、羊・ヤギ・ラクダばかり。乾燥に強い動物たちです。2千年程前から、サハラの乾燥化が顕著になったことがわかります。十分な水がないと牛は飼えません。人々の暮らしは、かつての豊かさを失ってしまいました。この時代の絵には、躍動感も何もありません。絵から『立体感』や『音』を感じることもありません。ただ、平面の壁に描かれた拙い絵ばかり・・・。また、絵に加え文字も登場します。ティファナグ文字やアラビア文字。ティファナグ文字は、現在この地に暮らすトゥアレグ族が使っていた文字で、現在でも読むことは可能とのこと。

 で、その壁画に、フルベ族がどう関係しているかというと。6千年前の牛を追う人々の暮らしぶりが、現在のフルベ族の暮らしぶりとそっくりなのです。この壁画に描かれている牛を追う人々は、フルベ族の祖先だとする研究者もいます。

 今回の自転車旅に出る前の私、サハラの南を旅したことがなかった私にとって、フルベ族とは、あの壁画の人々でした実際には、会ったことも見たこともない民族なのに、知っているような感覚がありました・・・。あの壁画、いきいきとした暮らしが描かれていた壁画、今にも絵が動き出しそうな舞踏の壁画、本物そっくりに描かれた牛の壁画、沢山の牛を飼っている一家の壁画。それらを思い出すと、私の脳みそが、乾燥した草原で牛を追いながら暮らす現代のフルベ族のビジョンを作り出すのです。カラーの映像です、音も付いてます。まるで、昔の旅の記憶を思い出した時のように、私の脳みそが、見たことも会ったこともないフルベ族の姿を思い出すのです。


 そういう理由で、私、フルベ族に凄く興味があったのですよ。
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