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ユーラシア大陸横断完了 

 11月9日午後1時16分、旅立ちから707日、走行2万9579kmで、ユーラシア大陸最西端・ポルトガルはロカ岬に到達!!

 ユーラシア大陸横断の旅は、このロカ岬到達をもって完了しました。大西洋にせり出したこの断崖は、西経9度30分。この大きな大きなユーラシア大陸の一番西に位置する場所です。重い自転車を傍らに、額の汗を拭い、強い海風の音の中で、自分の浅い呼吸音が微かに聞こえていました。目の前に広がるのは、どこまでも続く大西洋。海抜140mの断崖の下には、大きな波が真っ白な帯となって打ち寄せていました。

 ここは、“陸 尽き、海 始まる”ところ。

 ロカ岬、実はこれが2度目の訪問。初めて来たのは、1999年の夏。ユーラシア大陸を西→東に横断したバックパック旅の始めに訪れています。前回と今回、やはり今回の方が圧倒的に感慨深い場所です。ユーラシア大陸の東の果てに浮かぶ島から、自転車で2年近くかけて自力で走って来たんですから。今日の大西洋は、水平線が霞んでいて海と空の境目がなくなっていました。ぼんやりと海を眺め、時折話しかけてくる観光客の相手をしながら、微かな気持ちの昂りを感じていました。

 この大海原の向こうに、アメリカ大陸がある!!21世紀に生きる私たちには、当り前の知識ですが、かつてこの地から大海原に漕ぎ出した船乗りたちは、そんなこと微塵も知りませんでした。残念ながら、“陸の旅人”の私はここから大海原に漕ぎ出すことはできませんが、いずれ、8~9ヶ月後かな・・・、新大陸を走り出します。

 岬では、世界中から観光客がやってきます。日本人団体客、韓国人団体客、ケニア人一家、ポルトガルで働くブラジル人カップル、冬はキャンピングカーで旅するドイツ人老夫婦、アメリカからヨットで大西洋を渡ってきたアメリカ人夫婦、ロンドンに暮らすインドネシア人一家、チェコ人カップル、えとせとら。人々と少しずつ言葉を交わし、数名から祝福の言葉を頂きました。

観光客「ここがあなたの旅のゴールなのね!おめでとう!!」
心 「ありがとう。でも、ここはひとつのゴールに過ぎなくて、あくまで通過点です。来月にはアフリカに渡ります。まだまだ私の旅は半分が終わったかな?というところですよ。」


 次なる旅のステージは、アフリカ!!西アフリカのマリを基点に、サハラ砂漠の国々を旅するつもりです。その準備のために、11月中旬~12月中旬は、フランスのパリで過ごすことになります。ゴールは、スタートでもあります。次の旅が始まったのです。強風の中、静かに佇む私には、徐々に込み上げてくる“ゴールの感動”と、“次の旅への期待”がいっぱいでした。 

 岬を去る前に、岬の観光案内所で発行している『最西端到達証明書』なるものを購入しました。初めて訪れた時も買いましたが、その時のものは、単なるお土産でした。今回は、正真正銘の“証明書”です。奮発して、10ユーロもする高級な台紙に書いてもらいました。

 西に傾いた太陽が、大西洋を真っ白い光に包み始めていました。早く出発しなければ、リスボン到着が日没後になってしまいます。漕ぎ出したペダルは相変わらず重いけれど、気持ちは軽い↑鼻歌どころか、大声で歌いながら、リスボン目指して50kmの道のりを駆け抜けました。路肩のないポルトガルの狭い道路もなんのその!マナーの悪いボルトガルの車もなんのその!

 日没間際、リスボン市街の外れにある、“エンリケ航海王子”のモニュメントに立ち寄りました。王子は、ポルトガルの大航海時代のリーダー。彼が開いた航海学校や造船所が、ポルトガルを大海原へ導いたのです。彼自身も、アフリカ西海岸への探検航を行っています。
 夕日を浴びてオレンジ色に光る船のモニュメント、その舳先に立つエンリケ王子に話しかけました。「王子、次の俺の旅のステージは、あなたが旅した西アフリカですよ。」 海辺の公園で寛ぐリスボンっ子たちが、感慨深げにモニュメントを見つめる、可笑しなサイクリストを遠めに囲んでいました。

 リスボン中心部に入ったのは日没後でした。リスボン留学中のドイツ人青年の案内で安宿に入り、昼の残りのパンで簡単な夕食を済ませた後、ベッドに横になると、急に体が重くなりました。2ヶ月で駆け抜けたヨーロッパ、休養らしい休養は一度もありませんでした。その疲れからか?ユーラシア大陸横断を終えた安堵感からか?体が動いてくれません・・・。でも、心はとても穏やかで、幸福感に満ちていました。目を閉じると、すぐに眠りに落ちました。

 ユーラシア大陸横断の旅は終り。明日11月10日から、新しい旅のスタート! バスでパリまで移動し、パリでアフリカ旅の準備に入ります。アフリカ入りは、12月18日の予定です。

陸尽き、海始まる。えぇ~!?
写真1)「なんてこった!陸が尽きて、海が始まったぞ!?」 ロカ岬の断崖に立つ私。

ロカ岬モニュメントと俺と自右衛門
写真2)最西端のモニュメントと、私と、相棒・自右衛門号。

ロカ岬より大西洋を望む
写真3)この海の彼方にアメリカ大陸がある・・・、の?本当に??

エンリケ航海王子のモニュメント
写真4)エンリケ航海王子の船のモニュメント。先頭に立つのが王子。その後は航海士や船乗りたちかな。



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