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東トルキスタンという国をご存知でしょうか? 

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写真)毛さん、あなたちょっと大き過ぎやしませんか・・・??
    (カシュガル中心部にある巨大・毛沢東像)


 東トルキスタンという国をご存知でしょうか?

 『○○スタン』ってことは、中央アジアの国?
 『東トルキ』って・・・、トルコの東にあるの??


 さぁ、世界地図張を広げてみましょう!! 東アジアを見て・・・・、ない! 中央アジアを見ても・・・、ない! 中東を見ても・・・、ない! ちょっと頭を捻って、ロシア連邦中部シベリアの小さな自治共和国が並んでいるところを見ても・・・、ない!!!

 東トルキスタン、こんな国の名前は存在しません。

 どういうことかと言いますと・・・、『中国・新疆ウイグル自治区』、これが『東トルキスタン』なんです。ますます訳が解らなくなりましたか??

 1997年2月に、新疆ウイグル自治区の西部の6都市で、合計600人の死傷者を出す大きな暴動があったことはご存知でしょうか? 97年っていうと、つい10年前です。私はすでに旅三昧の青春を送っていましたが、お隣の国のこんなニュースは知りませんでした。中国の内政問題って、海外のニュースでは流れにくいところがありますからね・・・。
 このような暴動は、少なくとも半世紀前から時折発生しています。地元のウイグル人を中心としたムスリム住人によって起こされる、この暴動。スローガンとして必ず掲げられるのが、『漢民族の排除』と『東トルキスタンの独立』です。もうお解かりでしょうか? 中国の新疆ウイグル自治区と呼ばれる土地は、チベット自治区と同じ経緯を辿っているのです。

 中国政府は、「古来より、新疆は中華世界と不可分の関係にあり、これからもそうである。」と主張し続けています。古来よりって・・・?いつから?? 歴史を紐解いてみますと・・・ 歴代の中華王朝による、ウイグルの統治とは、現地の支配者に対する間接統治でした。事実、中華世界の中国人たちも、伝統的に、玉門関以西の土地を『胡地』、つまり、胡人(イラン系民族)の土地と読んでいました。実際には、イラン系ではなく、トゥルク系ですが、要は『異民族の土地』とでも解釈しましょうか。
 そんな他人様の土地を『自分の土地』にしちゃったのは、清朝の時代。1864年に起きた元コーカンド・ハーン国の軍人ヤクブ・ベクが起こした反乱がきっかけです。これまで間接的でも統治者のつもりだったのに、このヤクブ・ベクによって10年間も西域の諸オアシス都市を支配された為、直接統治に切り替えることになった訳です。反乱を鎮圧した後、この新しく直接統治する事になった土地を『新疆』と名づけました。新疆とは、漢語で『新しい領土』を意味します。現在の名は、新疆ウイグル自治区。

 1930年代になると、民族主義者たちによって、『東トルキスタン』の独立が叫ばれるようになりました。トルキスタンとは、『トゥルクの土地』を意味し、中央アジアのほぼ全域、トゥルク系民族の土地をさす言葉。『東トルキスタン』とは、その東側の領域。つまり、タリム盆地を中心としたウイグル人が暮らす土地です。このような分離独立運動や暴動は、その都度、中国中央政府によって潰され、現在までに20万人以上の亡命者を生み出しています。

 2000年末、私はパキスタンのラワール・ピンディという町で、亡命ウイグル人コミュニティーの人々と接する機会がありました。出会った場所は、ウイグル料理を出す食堂です。なぜパキスタンにウイグル人がいるのか?理由は薄々感づいていましたが、好奇心から聞いてしまいました・・・、「お国はどちらですか?」 返事は、「東トルキスタンだよ。今は、中国に支配されてるけどね。」と・・・。私が話をした30代のウイグル人男性は、10年ほど前に亡命した来たそうで、隣に座っていた老人は、30年前だそうです。
 亡命してきた理由は、想像に難くありません。信仰が保てない。教育が足りない。漢民族に仕事を奪われた。政治犯として捕まると死刑か重刑。などなど、などなど。チベットの亡命者たちと、同様です。

 私が中国政府批判をしても仕方がありませんが、このような現実もあるということを知って欲しいのです。今の新疆ウイグル自治区を見てみると、『西部大開発』の大号令の元、飛躍的な開発が進んでいます。この開発とは、中国人の為の開発。町は、中国(漢民族世界)の都市と同様に整備され、雇用を求め、漢民族の移入は止まりません・・・。全くもって、チベットの現状と同じです。
 このような現実に、ウイグルの人々が、焦りと怒りを覚えていることは確実です。しかし、今の中国には、その不満や怒りをもみ消してしまうだけのパワーと勢いがあります。カシュガルで出会ったウイグル人青年は、「漢民族は大嫌い。でも、中国なしでは、俺たちは食っていけない。」と言っていました。確かにそうでしょう・・・。

 『東トルキスタンの独立』は、この先もずっと達成されることはないでしょう・・・、残念ながら。彼らは、今後も漢民族化の波に晒されながら、その波に上手く乗っていかねばならないのです・・・。願わくば、ウイグルの独自性が失われることなく、中国の発展の恩恵にあずかれますよう・・・。

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コメント

客車男さんへ

こころです。

◆客車男さん
 コメントありがとうございます。開示禁止となっておりますので、ここでコメント頂いた内容は公表致しませんが、コメントの返信方法に工夫が必要となりそうですね。

 極力、内容を伏せた形で返してみようと思います。

 客車男さんの質問に対する答えは、ブログの本文をそのまま読んで頂ければ、と思います。つまり、確かに、ウイグル自治区における漢族資本の重要性は無視できないものだと思われます。日本や米国の経済を例に出すまでもないと思います。今、中国経済が世界経済を大きく左右する存在であることから、国内に位置づけられるウイグル自治区で、その存在が小さなわけはないのでは?と思います。

 この本文では、私が言葉を交わしたウイグル人の主張の一部を紹介したつもりです。


 これが的確な返答になっているかどうか・・・、微妙なところですが・・・。


 確かに、私はそう感じました。
  • [2010/02/25 03:16]
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