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無人のアクサイチン高原 

10月27日 無人のアクサイチンは本当に無人でした。

 8時10分、日の出前に起きました。部屋の気温は氷点下3℃。外はどれくらい冷えているんだろう・・・?トイレに行ったついでに、腕時計(温度計機能有り)を表のドラム缶の上に置きっぱなしにしておきました。荷物を詰め直し、歯を磨き、口を濯ぐ時に再び表へ。肌に刺さるような冷たい空気の温度は・・・、氷点下14℃!?過去最低気温更新です。
 「ぶるぶるぶるぶる!」部屋に戻り、荷物を自転車にセッティング。だいたいの用意が整ったのは、8時40分。食堂宿のおかみさんには、昨晩、 「9時に出たいから朝食よろしく」と伝えていましたが、ちょっと準備が早すぎたかな・・・。私以外に起きている人の気配はありません。おかみさんが起きるまで、僅かに昨晩の熱を残した石炭暖炉に張り付いて、今日の走行計画を確認。今日は、98km走って『甜水海』という地点を目指します。98kmなんて、海抜5000mのオフロードで走れる距離ではありません。が!走ってやろうではないですか!!
 氷点下10℃の屋外でテント泊をするぐらいなら、無理してでも約100km走って、暖かい布団で寝たほうが体にも良いでしょう?この甜水海が何であるのか?やはり解かりませんが・・・、私の勘ではトラックストップなのでは? 起きてきた食堂のおかみさんに朝食のラーメン(しかない)をお願いし、出来上がったところで、地図を見せて質問。

心 「今日は、ティエロンタンから、甜水海まで走るんですけど、甜水海には泊まるところがありますか?」
お上「ティエロンタンから?ティエロンタンまで行くの?甜水海から?」
心 「ん?そうじゃなくて、ここティエロンタンから、甜水海まで行くんですよ。」
お上「ここはティエロンタンじゃなくて、クゥアイスイゴウだよ。ティエロンタンは、甜水海の先。」
心 「えっ!?ティエロンタンってここじゃないの!?」

 どうやら、地図も走行資料も間違っていたようです・・・。まぁ、ありえることです。仕方ない。念の為、ここティエロンタン改めクゥアイスイゴウから、甜水海までの距離を確認したら、100kmとのこと。走る距離には変わりありません。今日は、大きな峠越えもないし、なんとか100kmの道のりを走ろう!!午前9時半、クゥアイスイゴウのトラックストップを出発!

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写真1)走り始めて1kmでいきなり、難関!?

 川です。気温は氷点下10℃以下だというのに、水が元気良く流れています・・・。靴を脱いで渡るのか・・・?そんなことしたら、水から上がった途端に足が凍ってしまいます。川底は幸いにも大きな石はなく、砂利なので・・・・、勢いをつけて、自転車で一気に渡る!!「バシャ!バシャバシャバシャ・・・」なんとか、濡れずに渡れました。
 ・・・が!?その後が大変だった!! 勢い良く川を渡った際、跳ね上げた水がリアディレイラー(ギアチェンジの為の機械)やシフトケーブル(ギアチェンジ用のケーブル)、リアブレーキにかかり、その水が瞬時に凍り付いてしまって・・・

 ギアチェンジが全くできない!! 後ろのブレーキが利かない!!

 ギアは、24段中、2番目に軽い組み合わせで固まってしまいました。ペダルをクルクルくるくる回して進みながら、考えました・・・。おしっこでもかけて氷を溶かすか?いや、それだと更に凍りつきそうです。仕方なく、そのままクルクルくるくる走りることに、いつかどうにかなるだろう・・・。

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写真2)日の出から2時間以上経ちますが、まだ気温は氷点下10℃。

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写真3)凍った湖。氷の厚さは10cm以上。歩いて向こう岸まで行けそう・・・。

 雪に覆われた緩やかな下り坂を時速15kmほどで下ります。後輪のブレーキは徐々に効くようになってきました。ブレーキの利きが良くない方が、かえって、スリップの危険が減って良かったのかも。坂を下り終えると、凍った湖を通過。更に走り続け、徐々に雪のない開けた地形になってきました。周囲の山々は低く、高原という名に相応しい光景。『ここを夏場、緑の季節に訪れたら、さぞ美しいんだろうなぁ・・・。草原にはきっと鹿か何かがいて・・・』 なんて思っていたら、今日も野生動物と遭遇!

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写真4)乾いた草原を駆ける鹿・・・? いや、おそらくですが、レイヨウの一種ではないかと。レイヨウは牛科の鹿のような動物。

 ドドドドドッと軽快な足音で走り去った鹿?もしくはレイヨウの群れ。チベット高原では様々な野生動物を見ましたが、これはオオカミやキャンに匹敵するレアな遭遇でしたね。ラッキー☆
 なだらかになった道をひた走ります。凍りついたギアは、2段分ぐらい重いギアに変速ができました。それでも24段中、4番に軽いギア・・・。くるくるクルクルくるくるクルクル。このくらい平坦な道だったら、重いギアでスピードをつけて進めるのに・・・。軽過ぎるギアで、クルクルくるくる・・・。
 せっかく距離を伸ばせる平坦な道で、距離が伸ばせず、午後1時の時点で、100kmの走行が難しいことを悟りました。このペースでは、せいぜい日没時点で70kmです・・・。100km先の甜水海までたどり着かないと、今日はその手前に集落がありそうな場所はありません。・・・となるとキャンプですが、キャンプだったら、少しでも標高が低いところを目指しましょう!資料によると、甜水海は海抜4800m台らしい。走り始めは5050mを越えていたので、200m標高が下がることになる。となると、1度の気温が上がる。 氷点下15℃の夜が、氷点下14℃で済むんです!!って、大差ないか・・・。 それでも、やはり進めるだけ進みましょう!!

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写真5)午後3時を回り、いつもの西風が・・・

 「うわ・・・ぁ・・・、なんか!?この風は!」 

 いつもの西風ですが、強さはいつもの倍! 風の音で何も聞こえなくなるぐらい吹き荒れています。左手前方から吹き付ける強い向かい風・・・。おまけに、怪しい雲まで運んできています。『こりゃ、今夜は雪だな・・・。なんとか、屋根のあるところで眠りたいなぁ・・・』
 凍り付いていたギアは、チェーンギア(前のギア)がミドルに変速できるようになっていました。これで一気にスピードアップが可能になりました。 『おりゃぁ~!負けんぞぉ~!こらぁ~!!』強風に怒号の雄叫びを上げながら、一心不乱にペダルを回し続けます! 道は幸いにも、緩やかぁ~な下り坂!昼前の遅れを取り戻す為、昼食は行動食で済ませ、時速15km近くでひた走ります。甜水海までたどり着けなくとも、なんとかあの雪雲だけは振り切りたい!!

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写真6)すぐ後ろに迫った雪雲。

 午後6時を回り、ぱたりと風は止まりました。走行距離は65km。日没まであと2時間で、で35kmかぁ・・・、無理だな。しかし、進めるだけ進むんです。気合を入れ直し、無人の荒野を突き進みます。すぐ近くまで追いつかれた雪雲から、時折粉雪が舞う中、走行距離は、70km、75km、80km、85km・・・、88km。タイムアウトです。

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写真7)あぁ・・・、暮れちまった・・・。重い空の下には何もない。

 走る事にムキになっていた為、キャンプ用の水の確保をしていませんが、手元の水はまだ2.5リットルありました。明日の朝までは十分な量です。ここの平原でキャンプをするか?なんとか100km走って、甜水海にあるであろう宿に泊まるか・・・?うぅ~ん・・・

 走ろう!!

 次のエントリーに続く。


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