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巡礼者の町・タルチェン 

 巡礼者の町・タルチェンはこんなところです。

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写真1)タルチェンの町と背後に聳えるカイラース山

 カイラースの真南に位置するタルチェンは、カイラース巡礼の拠点。小さな町ですが、観光客が押し寄せる夏や、巡礼者が多く訪れる秋には、ずいぶんと賑わいます。

 町には、電気も水道もありませんが、宿や食堂は沢山。毎日、日が暮れた後に、各家々店々宿々で自家発電しています。水は、町の中心を流れる川に汲みに行ったり、川から直接ホースで取水していたりします。そんなタルチェンですが、これでも年々インフラ整備が進んでいるんだそうです。来年には、インターネットの光回線が届くとの噂。『電気が通ったら、次は光回線だ!!』というのが普通の順番だと思いますが、中国ですから・・・、順番が逆だということは大いに有り得る。

 タルチェンは、この秋に正式に外国人にも開放されたそうです。『開放』とはどういうことかと言いますと、無許可で立ち入っても警察に捕まらないということ。通常『未開放』の場所を訪れる場合、公安局で『旅行許可証』を取得しなければ、立ち入ることができません。まぁ、私は未開放だろうと、何だろうと関係ありませんが。ちなみに、中国人でも未開放地域では、原則的には旅行許可証が必要なんだそうです。
 カイラース周辺、つまり、カイラース山とタルチェン、マナサロワール湖とその南にあるプランという町は、今、無許可で訪れることができます。着々とチベットの摂り込みが成功している中国中央政府、この規制緩和は、北京オリンピックを意識したものではないでしょうか。カイラースは、外国人にとっても、中国人にとっても、チベット最高の見所のひとつですからね。
 2008年、オリンピックに合わせて中国を訪れた観光客の中には、チベットまで足を伸ばす人も多いでしょう。タルチェンに辿り付いたら驚きますよ・・・、いや、辿り付く前に驚くかな。私がガタガタの悪路を苦労してタルチェンまで至った話は、過去のエントリーを見てもらえれば解かるでしょう? 実は、今、その悪路の舗装工事が急ピッチで進んでいるんです。工事関係者によると、08年までにラサ~タルチェンの舗装工事が完了するんだとか。走ってきた感じ、あと2年で完成するようには見えませんでしたが・・・、中国ならやってしまいそうです。得意の人海戦術で。
 楽に旅したい人には、良い時代になりますね。でも、マゾのサイクリストには、つまらない時代がやってきます。『チベット=過酷な旅』というのは、もう過去の話になりつつあります。

 タルチェンには、数軒の中華食堂があります。知ってる限りで、えぇ~っと・・・5軒ぐらい。食事事情が悪い西チベットではありがたい存在です。もちろん、チベタン食堂は沢山ありますが、やはり中華の方が美味しい。私がいつも通っていたのは、人気の『カンティセレストラン』と、気の良い店主が気持ちよい『蘭州飯店』と、“通称ハンド・ワーク・フェイス”の『馬記餃子手工面』の3ヵ所。(ハンド・ワーク・フェイスの話はこちら→http://whereiskokoro.blog34.fc2.com/#entry490
 タルチェンには、9月末から出たり入ったり(巡礼の為)、12日間ぐらいいました。その間に、一番心地の良い蘭州飯店が閉店してしまいました。他のカンティセとハンド・ワーク・フェイスは、私がタルチェンを出て間もなく閉店したそうです。閉店といっても、潰れたしまった訳ではなく、冬の間だけの一時休業です。この町の中国人は、当然、他所から商売にやってきた人々。厳冬のチベット、冬場は殆ど観光客・巡礼者が訪れないので、こんな寒いところで冬を越す必要はない、という訳。それぞれの故郷に帰って、春にまたタルチェンに戻って、商売を再開するんです。
 店の名前は忘れましたが、北東飯店?東北飯店?だったかな? 中国北部、厳しい寒さで知られるハルピン出身者がやってる食堂もありました。そこの店主も、『冬のチベットは寒いから、そろそろ故郷に帰る』って言ってましたね。気温だけみたら、ハルピンもタルチェンも変わらないと思いますが、インフラの整っていないタルチェンでの越冬は大変なんでしょう。それに、チベット人の土地に住む、中国人(漢民族)は居心地が悪いのかも。

 私はタルチェン滞在中、シャワーなしの生活でした。町には一箇所だけ『シャワー屋』がありますが、浴びに行こうとは全く思えませんでした。だって、入浴料30元ですよ!?450円払って、出てくるお湯の量はチョロチョロですからねぇ・・・、風呂ならまだしも、シャワーだし。中国人に化けられる友井さんが言うには、『俺は中国人だと思われて25元だった。店のお姉ちゃんが「外人からは30元取ってるけどね。」って言ってたよ。』とのこと。値段設定自由の殿様商売です。

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写真2)タルチェンに建設中の集合住宅

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写真3)タルチェンの町を丘の上から見るとこんな感じ。

 タルチェンの人口は・・・、わかりませんが、それ程多くないと思います。写真3に写っている町の建物の多くは、宿や商店、政府の建物、学校などです。しかし、今後、町の人口は一気に増えることが予想されます。町の中に、周辺の半遊牧生活者の為の集合住宅を建設中なのです。これは、遊牧民の定住化政策の一環。『教育の機会がない遊牧では、子どもたちの未来はない!町に暮らして、子どもを学校に通わせなさい!』という主張です。
 このような遊牧民の定住化の試みは、世界中で失敗例が沢山あります。もともと雄大な自然の中で生活している人々の生活を変えさせるのは、容易ではありません。一度は、町の新しい家に移り住んだが、すぐに荒野へ帰っていった、なんてエピソードが沢山。このタルチェンの集合住宅もそうなる可能性が高い気がします。この家々の密集具合は・・・、私でも住みたくないかも。まぁ、やっているのが中国政府ですからね、きっと逃げ出すこともできずに、この町に定住させられてしまうのでしょう。教育やインフラの整備が進めば、いわゆる“文化的な生活”が手に入るかも知れませんが、それが幸せであるかどうかは別の話です。

 タルチェン、この先の数年で大きく変わりそうです。私は、いつか必ず再びカイラースを訪れるつもりです。その時、この町はどのように変わっているのでしょうか?

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写真4)この風景は変わらないかな?タルチェンには、異様に犬が多い。
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