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マユム・ラの急坂 

9月23日 昨日の日没は午後8時20分でした。今日の日の出は午前8時20分でした。

 秋分ですねぇ~。日本の秋分は、まだ秋の気配が漂い始めるぐらいですが、ここ西チベットでは、短い秋の真っ只中です。海抜3000m前後の地域では、まだ暖かいんでしょうけど、このあたりは4500mを越えていますからね。標高が1000m違うと5~6℃の気温差が出ます。理科の授業で習いませんでした?

 8時にテントを這い出しました。日の出を待ちながら、朝食の準備。お粥を平らげた後、テントの中で荷物の整理をしていたら、外で人の気配・・・。『こんな早朝から・・・』 テントから顔を出すと、チベタンのおじさんが立っていました。道路から30mほどのところにテントを張ったので、チベタンの訪問を受けるかも?と思っていましたが、案の定。そもそも、このあたりは、広ぉ~い平原なので、私のオレンジのテントは数km先からでも見つかってしまうでしょう

 「タシデレ!」と挨拶すると、小さく「タシデレ」と返ってきました。立ち去る気配がないので、「カレ・ペェ」(去る人に向かってつかう『さようなら』)と言って、テントの中に戻ると・・・、ザッザッ・・ザッ・・・ザッ、あっ!去ってった!これは使える手かも知れない!!

 10時半、出発です。今日の目標は60kmほど先にある『マユム・ラ峠』。海抜5200mほどのサガ~タルチェン(カイラースの麓の町)間では、一番大きな峠です。今朝テントを張ってたところが海抜4700mぐらいですから、500m高くなる。ってことは、気温が3℃ぐらい低くなるってこと。ちょっとだけ寒いですが、今夜はマユム・ラの頂上付近でテント泊にしましょう。

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写真1)さぁ、今日も悪路のサイクリング☆

 道路は、舗装工事の初期段階。平らと言えば平らなのですが、砂利が敷き詰められてあって、とぉ~っても走りにくい。道路脇の轍道を走りましたが、砂が深いところが多く、こちらも走りにくい。まぁ、焦らず、ゆっくり走ることに。
 走り始めて20kmほどで、小さな峠を通過。標高差は、200mほどなので、大したものでもありません。今年の1月は、中国本土のちょっとした、ほんとにちょっとした山道で、「キツイ」なんて言ってたっけなぁ~。あの頃は貧弱だったなぁ~・・・、恥ずかしい。・・・今がおかしいのかな?

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写真2)小さな峠を越えると、砂が深い地域になった・・・。小麦粉の道は、走りにくい。

 慣れとは恐ろしいものです。走りにくい西チベットの悪路にも、徐々に慣れてくるんですよね。石だらけ・砂利だらけの道をガタガタと走り、深い砂でタイヤを取られ、すれ違う車に土煙を浴びせられ・・・、でも元気に走っています。走行速度は遅いですが、今日もコンスタントに走り続けてゆきます。
 昨晩、濾過しておいた水で、昼食のラーメン。手元の水は、ボトル2本・合計1.2リットルになりました。午後3時半、走行再開。日没まであと4時間以上あるから・・・、どこかで飲料水を作らなきゃな。幸い、地図には大きな川が載っていました。この先のマユム・ラ峠の上り始めの地点で、給水ができそうです。

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写真3)検問所!?

 昼食後まもなく、検問所らしき建物が見えてきました。マユム・ラの東側には、検問所があるとの情報は知っていました。この数日ですれ違った数人のサイクリストの話だと、チェックされるのはパスポートだけとのこと。旅行許可証の提示は求められないらしい。そしらぬ顔をして通過しちゃおう!なるべく音を立てないように、静かに検問所のバーの脇を通ろうとしたら、「おい!」って・・・。「あら、やっぱりパスポート見せなきゃだめ??」軍人に呼び止められ、パスポートを提示。問題は一切ありませんでした。
 検問通過後、5分ほどのところで、サイクリストに遭遇。アメリカ人2人組。そういえば、アメリカ人サイクリストって、初めて会うかも?あっ、いや、ラサで会ったか。 「あれって、検問だろう?大丈夫だったかい?あっ、君は中国人だからOKなの?」「日本人だよ!何ジンでもパスポートを見せるだけで、問題なく通過できるよ。」 西から走って来るサイクリストの多くが、『検問所』や『公安(警察)』にやたらと警戒しています。私は、「この夏から劇的な規制緩和が進んでて、もうビクビクする必要はないよ。」と、すれ違うサイクリストたちに言いながら走っています。そう、チベットの旅は、もはや『潜入旅』ではなくなったのです。

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写真4)アメリカ人サイクリスト2人組。

 検問所の手前から、道路は川に平行しています。この先、急な登りが控えているので、給水はできるだけ待って、軽い自転車でグングン走っちゃう作戦。5kmを走り、10kmを走り、まだ川はすぐ隣を流れてる。水量の多い川。峠の頂上付近が水源になっていて、そこから流れ出している川ではないか?と思いましたが、この水量では、もっと遠くから流れてきているんでしょう。道と川が離れてしまう場所がどこか?なんとなく地形を見れば解かります。「あっ、あのあたりで、川がなくなるな・・・。」 ちょうど登りが始まるあたりで給水&食器の洗浄。数kg重量の増した自転車で、マユム・ラの登り開始です。

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写真5)比較的水量の多い川。冷たい水で、昼に使った鍋と箸を洗う。

 標高5000m付近を時速5~6kmでゆっくり登ります。まぁ、これくらいの坂だったら、この峠も大したことないかな?緩やかな坂を2kmほど登ると、前方の視界が拓けてきました。ながらかな谷が続いています。マユム・ラは5200mと標高こそ高いけど、大したことなさそう。「マユム・ラは、下りが大変だったよ。」と、さっきのアメリカ人サイクリストが言っていましたが、『下り』って、彼らにとっての下り(私の上り)なのかな?私にとっての下り(彼らの上り)なのかな?たぶん、後者でしょう。この具合だと、私の上りは問題なさそう・・・。

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写真6)えぇ~!?何!この急坂!!!!

 甘かった・・・。西日の中から、とんでもない急坂が出現しました・・・。西日の中で、土埃が付着したままのサングラスを付けているので、遠くを見ようにも、光が乱反射して見にくいのです。それに、路面が悪いから下ばかり見て走っています。
 さぁ、どうするか?一番軽いギアにして、立ち漕ぎで挑みました。時速は、4km以下。あまりに速度が遅いと、バランスを崩してしまいます。砂が深いところになった時、「ザシュ!」後輪が空転しました。もはやこれまでか・・・、降りて押すことに。ハンドルを力の限り、前に押します。重い・・・。進む速度は2kmぐらいでしょうね。腕時計は7時20分を示しています。日没まであと1時間。峠の頂上までは、あと2kmぐらいかな?なんとか、頂上までは行きたいもんです。
 傾斜がキツイところや、砂が深いところは押して、そうでないところは、軽いギアで立ち漕ぎ。40分ほどで、峠の頂上付近に到着しました。標高5200mの朝は冷え込むでしょうから、朝日が当たる場所にテントを張らないといけません。コンパスと、周辺の地形を見ながら、適当な場所を選びました。テントを張り終えた頃、峠の向こう側に日が沈みました。

 マユム・ラ峠、久しぶりに上り応えのある、峠らしい峠でした。さぁ、この峠を越えると、カイラースまではあと少しです。

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