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サガン青年、続き 

ひとつ前のエントリーの続きです。

 翌朝、私よりも先にサガン青年が宿を後にしました。彼が向かったのは、ビシュケク行きのバス乗り場。

サ 「ビシュケクに戻るよ。自転車の旅、気をつけてね。」
心 「ありがとう。良い仕事が見つかると良いね。頑張ってね。」

 で、彼がいなくなって1時間後、私はオシュのシンボル『ソロモン王の玉座』と呼ばれる岩山の頂上にいました。険しい階段を20分ほどで駆け上がり、200mほどの岩山の頂上に立つと・・・、あまり景色は良くない・・・。天気が良くないのです。 『あ~ぁ、昨日登ってれば良かったな・・・』昨日は、青空が広がっていました。昨日だったら、遠くの雪山や、ウズベキスタン領内の村々までキレイに見えたことでしょう・・・。

 頂上で2枚だけ写真を撮り、そろそろ降りようかと、下に目をやると・・・、あっ!サガン君!! 今朝別れを告げたばかりのサガン君がコチラにやってくるではないですか。彼が登ってくるのを待って、頂上で再びご挨拶

心 「君も登ってきたか。ここは初めて?」
サ 「やぁ!何年か前に来てるよ。今日の景色はイマイチだね・・・。ココはもう降りるのかい?」
心 「あぁ、今日は国境越えの日だからね。早めに走り始めるよ。」
サ 「そう。気をつけてね。」
心 「そっちもね。んじゃ!」

 で、山を駆け下り、宿に戻って自転車に跨り、オシュの中心にあるバスターミナルへと向かいました。バスに乗るためではありません。ターミナル脇の食堂で朝食を取るためです。マントウとナンでお腹が膨れ、これでキルギスに未練はありません。いざ!ウズベキスタン国境へ!!バスターミナル周辺の人ごみを走り抜け、大通りへと出たところで・・・、あっ!サガン君!!

心 「やぁ!よく会うねぇ!」
サ 「これが君の自転車?」
心 「そう!凄いでしょ?んじゃね!もう行くわ!」
サ 「グッバイ!」

 いつもどこか悲しげな彼、最後まで大きな笑顔は見ることができませんでした。やっぱり、昨晩は一緒に酒でも飲みに行っとけば良かったな・・・。ちょっと後悔・・・。

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写真)岩山『ソロモン王の玉座』から、オシュ中心部を望む。 
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傷心のサガン青年 

 2月1日、オシュ滞在最後の日。流暢な英語を話す青年と出会いました。

 日没後、バザール歩きを終えサラホテルに戻ると、レセプションのおばちゃんが、私を見るなりギャーギャー騒ぎ始めました。毎度のことながら、何を怒ってんのか?全く解りません・・・。キョトンとしている私に、若いキルギス人の青年が流暢な英語で話しかけてきました。

青年 「あなたが、部屋のカギを持って出たので、私を部屋に入れられない、と言ってるんです。」
心 「えっ?あっ、部屋のカギ?持ってるよ。あら?持って出たらダメだったの??」
青年 「えぇ、まぁでも、問題ないですよ。気になさらずに。」
心 「ごめんね。」

 私がドミトリーのカギを締めて、そのままカギを持って出たため、新しい客が来たのに、部屋に入れられない!とおばちゃんは怒っていたんだそうです。そんなこと今頃言われたって・・・。 ほんと、相性良くないんですよね・・・、ここのおばちゃんたちと私。「なんで俺が外出するのを見てて、『カギ置いてきな!』と言ってくれなかったの?」って、言い返しても、火に油でしょうね・・・。まぁ、いいや。

 青年と一緒に部屋に戻り、私の散乱した荷物を慌てて片付けました。彼のベッドにまで広げていた荷物を片付けたところで、ようやくお互いの自己紹介。彼の名前は、サガン。出身は、ジャララバード市で、現在ビシュケクの大学で勉強中の大学4年生。オシュに何の用事があって来たのか?聞いてみると・・・

サガン 「オシュ出身の恋人の実家に遊びに来たんだけど・・・、恋人と大喧嘩して、予定が変わったんだ・・・。」

 とのこと。恋人の実家に泊まるはずだったのに、大喧嘩の末・・・、って、まぁ、この続きはいいや。とにかく、やることもなく、とりあえずホテルにやって来た彼は、とても退屈そうです・・・。私は、明日の出発を前に、荷物の整理をしたり、連載原稿を書いたり、いろいろと忙しいのですが・・・。

サガン 「今夜はどうするの?」
心 「えぇ~っと・・・、連載の原稿を仕上げなきゃなんないから、部屋でパソコン作業かな。」
サガン 「そう・・・。」

 きっと、酒でも飲んですっきりしたいのでしょう・・・。でも・・・、すまんが、今夜は忙しいんだよ。狭い部屋の中で、ガチャガチャと荷物を整理する私と、ベッドの上でぼんやりしているサガン青年。どうしよう?一緒に夕食に行くべきかな・・・?重たい空気を変えるべく、作業しながら、雑多なことを話しかけます。何を勉強してるのか?仕事は何をしたいのか?などなど、当たり障りのないことを。
 彼は、キルギス語、ロシア語、英語の他に、トルコ語、ドイツ語も流暢に話すそうで、外資系企業(ヨーロッパ系、またはトルコ系)で働きたいんだそうです。でも、なかなか仕事は見つからないと嘆いています・・・。あっ・・・、なんかまた重たい空気になってきた・・・??

心 「とっ、ところでさぁ、俺の名前、本当はココロっていうんだよね。ココってのは、ニックネームなんだ。ココロより覚え易いでしょ?ココの方が。」
サガン 「ココロ? ココ? どっちも簡単だよ。」
心 「まぁね、でも、人によってはすぐに忘れるんだよ、ココロだと。ココだったら、忘れにくいから。」
サガン 「へぇ~・・・。ところで、僕の名前は?覚えてる??」
心 「サガン!!日本の実家の隣の県に、『サガン鳥栖』ってプロサッカーチームがあってね、同じ名前だから、覚え易かったんだわ。」
サガン 「へぇ~・・・。日本語でサガンって、どういう意味になるの?」
心 「もともと意味はないと思うけど・・・。佐賀県の『サガ』を元に作った名前じゃないかな。」
サガン 「そのサガン何とかってチームは強いの?」
心 「うぅ~んと・・・、J2、えっと、2部リーグの真ん中らへんかな。」

 なんて話をしていたら、私の荷物作りが終わってしまった・・・。続いて、PC作業ですが、さすがにこれは会話しながらでは進まない。嫌な沈黙の中で、作業を行っていると・・・、サガン青年は携帯メールで誰かとやりとりしている様子。

サガン 「ジャララバードの友達がオシュに向かってるんだって。もしかしたら、今夜会うかもしれない!」
心 「ほぉ~!そりゃ良かった。」


 ほんと、そりゃ良かった!彼の飲み相手が見つかった訳です。これで私は作業に集中できます!!2時間ほど、頭を捻りながらのPC作業に費やし、全てをやっつけたところで、隣を見ると、あれ・・・?サガン青年、寝てるよ!? 友達がオシュに到着するまでの仮眠かな? 時計は10時、私はそろそろお休みの時間です。電気は付けたままで、ベッドに横になりました。強い眠気があるから、サガン青年の目覚まし時計が鳴っても、私は起きないでしょう、きっと。

 ふぁ~ぁあ~ぁ・・・・、zzzZZZ

 午前2時、尿意で目覚めました。隣のベッドを見ると、サガン青年まだ寝てる!?出掛けて帰って来たという感じではない・・・。あらら・・・、お友達からの誘いも無くなってしまったのか・・・。傷心の彼に、私は何て冷たい行いをしてしまったのでしょう・・・。自分がとても冷たい人に思えてきましたが、今更遅い。再び布団に入り、zzzZZZ・・・。

 ごめんね、サガン君・・・

酔っ払い警察官、おまけ 

 18日の晩、宿の近くにある売店、事件発生時に仲介に入ってくれたおばちゃんの店で・・・。私としたことが、一瞬の不覚を取っていまいました!!

 店の片隅の野菜コーナーにしゃがみこんで、人参を手にとっていると、背後に人の気配・・・。振り向くと、知ってる顔が立っていました。その男は、握手を求めてきたので、反射的に握手に応えてしまいました・・・。

 その男は、オルスでした!!

心 「あぁ~!!握手なんてしちまった!!」
オルス 「サラーム」(笑顔で)
心 「サラームじゃねぇ~よ!・・・そうだ、オルス! 今ここで俺に思いっきり5~6発殴らせてくれ!そしたら、今回の事件は俺の中で決着するから!」


 どうせ伝わっちゃいないでしょうけど、本気でそう思ってました、私。中途半端に終わった騒動の決着を、自分の拳で終わらせよう! 5~6発と言わないまでも、1~2発ぐらいだったら、こいつ(オルス)も、甘んじて受けるかも知れない!? そう考えましたが・・・、実行には移しませんでした。まぁ、それが常識ってもんでしょう・・・

 オルスの横には、彼の奥さんがいました。奥さんの前で殴られるのも可哀想だし・・・。ってか、容疑を堂々と否認してみせた奴のことですから、私の鉄拳に対して、不当な暴力と訴えるに違いありません。ここで私が彼を殴ったら、私はきっと暴行の容疑で逮捕されるでしょう。

 スッキリしませんが、鉄拳の代わりに、語調の強い英語で、 「お前さんは、自分がやったことがどんなに悪いことか知ってるだろう?今後、同じことを起こしてみろ。その時は、お前は、職も家族も失うことになるぞ。解ってるか?悔い改めるんだぞ!?」 英語を解さないオルスですが、私の血走った目と重い語調だけでも、感じ取ってくれたかな・・・?

 あぁ~!! スッキリしねぇ~!!
 けど、これで終わり!

不本意な決着・・・ 

 1月8日に飯田さんに暴行を加え、賄賂を巻上げて行った酔っ払い警官・オルスは、10日後に捕まりました。が、彼は容疑を否認しました。で、裁判をしなければならなくなりました・・・。

 私たちが裁判に立ち会うのは不可能です。仮に2~3ヶ月でカタが着くとしても、私はそんなに長くキルギスに留まりたくない!まだ世界一周の4分の1ほどしか走ってません、時間がもったいない。飯田さんもしかり、そんなに長くキルギスには留まれない。
 おかしな話です・・・。被害者が、加害者の刑の軽減を願い、裁判を省略したかたちでの罰則を願っているなんて・・・。どうしたものか? 私と飯田さんが助言を求めたのは、日本大使館でした。
 「裁判には付き合えません。しかし、代理人を立てることもできません。」 その旨を領事の若山さんは、ビシュケク市警に伝えてくれました。

 私たちに帰って来た言葉は、『ビシュケク市警としては、事件をあやふやに済ませたくはない。内務大臣まで関わった捜査が、半端に終われば、自分たちの立場はない!』 とのこと。そりゃそうでしょうけど、だからって、裁判まで付き合うわけにはいきません。代理人を立てたことろで、オルスが10年刑務所に入れられるのも、どうかと思う・・・。さくらゲストハウスが変な逆恨みの対象にでもなったら、私たちも客として、申し訳がない。

 結局、警察には、 『あなた方の捜査には不満はありません。しかし、時間的制約、金銭的制約により、裁判を起こすことはできません』といった文書を送ることになりました。 私としては、『これを機に、あなた方警察内部における、不正の撲滅、警官一人一人の意識の改革を行ってください!』と付け加えたかったところですが、言い出せませんでした。

 あ~ぁ・・・、こんな決着で良いのかなぁ~・・・。2週間に及んだ騒動は、なんだか納得のいかないかたちで、終わってしまいました・・・。


 今回の騒動で、ご協力頂いた日本大使館の若山領事始め、ウルマットさん、他の領事担当官の皆さんに申し訳ないのですが、これが旅行者の限界です。旅先でこのような事件に巻き込まれても、裁判となると、消えざるを得ないのです・・・。世界中に、今回の私たちと同じような思いをした旅行者が沢山います。裁判まで付き合う人もいますが、多くは、泣き寝入りでしょう・・・。

 しかし、今回の騒動で、警察内部の監視の目が厳しくなるということは考えられます。「不正はするな!」「日本人、外国人には手を出すな!」「酒を飲んで仕事をするな!」と、口を酸っぱくして、教育して欲しいものです。ビシュケクの新聞には、今回の事件が報道されていました。『警察官が日本人旅行者に暴行の容疑』といった内容だったそうです。オルスの名前は出ていなかったと思いますが、オルスと同じようなことをしたことのある悪徳警察官は、今後、態度を改めるかも知れません。

 中途半端な決着でしたが、これが今後の変化につながってくれれば・・・・。そう願う他ありません。

懲役10年!? 

 1月18日の午後は、捜査官の部屋へ。午前中よりも狭い部屋の中に、私たち3人、大使館の女性通訳さん、捜査官、そして容疑者オルス。非常に嫌な空気・・・。オルスの嘘の言い訳を聞いていると、イライラしてきます。私たち被害者の近くにオルスを置いておくのは、良くないと思うんですけど・・・。

 捜査官は、スッカリ見慣れましたが、右手の中指と左手の人差し指の2本だけで、カタカタカタカタとキーボードを叩き、オルスの調書を取り始めました。オルスの言い訳の内容までは、通訳してもらいませんでしたが、きっと午前中と同じことを言っているに違いありません。素直に謝れば良いのに・・・。なんで、そこまで頑なに否定するんだろう・・・?部屋を出た時、通訳さんがその理由を教えてくれました。

心 「えっ!10年!?刑務所にですか?」
通訳さん 「ええ。警察の偉い人が言ってました。警察や国家公務員の不正に対して、この国は厳しく罰します。」
飯 「そりゃぁ、否定するでしょうな。10年も豚箱入りだったらね。」
ト 「10年は可哀想よ。もっとねぇ、短くて良いのに。」
心 「うん、半年とかで十分ですよ。」
飯 「確かに長すぎますけど・・・。まぁ、奴にスケープゴートになってもらって、10年刑務所に入ってもらえば、今後、他の警察も絶対に悪いことはしなくなるでしょう・・・。それもありかな。」
ト 「長過ぎるよ。あの人に子供がいたら、子供も可哀想。」
心 「僕ら被害者が、被害届けを取り下げないまでも、罪の軽減をお願いしたら、短くなるんと違いますかね?」
通訳さん 「難しいと思います。」


 どうしましょう?10年も刑務所に入っては欲しくありません・・・。しかも、困った事に、オルスは容疑を否認しているので、今後、裁判の手続きが始まるというのです。

 日本の裁判も結審まで時間がかかりますが、キルギスも同じです。どんなに早くとも2~3ヶ月はかかるそうです。そんな長い間、キルギスに留まりたくはありません。裁判は、被害者不在となるので、代理人を立てるようにと警察はいいますが、そんな簡単なものではありません・・・。弁護士を入れると、お金がかかります。証人でもあるトルクンさんに代理人をお願いすると、スムースに裁判が進むかも知れませんが、そんな大々迷惑は掛けたくありません!!

 10年の懲役を免れるべく、オルスも本気です。そりゃぁ、嘘も付くでしょう。その嘘を破ることは簡単ですが、その手続きは裁判を通して行われるのです・・・。

 10年も刑務所には入れないで欲しい! けど、彼を罰しても欲しい!! どうしましょうかねぇ・・・

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写真)調書を書くため、捜査官の質問を受けるオルスを隠し撮り。

容疑者オルスの身柄を確保!! 

やっと呼び出しがありました!「例の警官を捕まえたから、警察署に来て下さい。」と。

1月18日、警察署に向かったのは、私と飯田さんとトルクンさん。さくらちゃんはお留守番。これまで通訳として同行してくれていた日本大使館のウルマットさんの姿はなく、代わりに別の大使館の女性(キルギス人)が着いて来てくれました。
 まず向かったのは、誰の部屋だったか忘れましたが、内部調査課の課長さん(?)の部屋。入ってビックリ!?目の前にあの警官が座ってました。容疑者オルスと被害者・飯田さん、目撃者(被害者でもある)の私、証人のトルクンさん、そして警察のお偉いさん方が一堂に会しました。なんだか奇妙な空間・・・。課長さんが、オルスに質問しました。

課長 「オルス、この日本人たちが、お前さんに暴行を受けて、賄賂を巻き上げられたと言ってるんだが。」
オルス 「そんなことはありません。確かに、私は彼、ヒゲの方の日本人の身元確認はしましたが。暴行や賄賂は知りません。」
飯 「おいおい!とぼけるなよ!腕にしっかりアザが残ってる写真もあんねんで?見るか??」


 容疑を否認したその態度にも驚きましたが、オルスという名前が本名だったことにも驚きました。ちなみに、モエドノフという苗字は、嘘っぱちだったそうです。キルギス語なので、何を言ってるのか解りませんが、警察のお偉いさんたちは、オルスの言葉をハナから疑っているようで、ちょっと呆れた感じで、彼に質問を続けていました。後になって、トルクンさんや大使館の女性に、話の内容を聞いて、私も呆れました・・・。

課長 「オルス。お前さんは何もしてないって言うけれど、だったら、この日本人たちは、内務省や警察に被害の届けを出したりはしないだろう?」

 オルスの言い分はこうです。 自分は職務に従い、怪しい外国人に対して、身分証の提示を求めた。ひとりはパスポートのコピーを持っていたが、もうひとりは持っていなかったので、警察署に連行しようとしたそのヒゲの男が抵抗したので、私は腕を掴んだが、暴力的な行為ではない途中から、連行を加勢してくれたロシア人の男は、数年前に会ったことがあるような気もするが・・・、知らない男だ賄賂を請求した覚えはない。お金を渡したというが、それはロシア人に対してではないか?私は見てもいないし、何のことだか解らない。

 つまり・・・、『自分は何も悪いことはしていない。悪いのは、ロシア系のあの青年だ。あいつが、この日本人たちにお金を請求し、お金を巻き上げていなくなったんだ。自分は、あのロシア系の青年とは全く繋がりはない。』 ということ。都合の悪いこと全てをこの場にいない、あのロシア人に擦り付け、自分は悪くないと言っています。

 では、彼の発言の矛盾点を・・・。 彼は勤務時間外で、酒を飲んでおり、普通に職務を行える状態ではなかった。 ②タジク大使館にパスポートがあると言っても、一度もそれを確かめようとはしなかった。 ③実際に、飯田さんの腕には青アザがたくさん残ってる。 ④私(心)は、オルスとロシア人が握手を交わすのを見ている。(初対面だとしても、握手はするが・・・) その後、「自分も警官だ!」と主張するロシア人に対して、オルスはそれを否定しなかった。知り合いのような態度を貫いた。 ⑤飯田さんが言うには、私(心)がトルクンさんを呼びに行っている間、オルスは、何度か指先を擦る仕草(お金を示すジェスチャー)を繰り返していた。 ⑥私も、飯田さんも、トルクンさんも、しっかりとお金を受け取るシーンを覚えてる。

 何という言い逃れでしょう・・・。仮に彼の言い分が正しかったとしても、彼は、全く知らないロシア人青年が、日本人旅行者からお金を巻上げるのを、すぐ傍にいながら気がつかず、パスポート不携帯で警察署に連行途中だったのに、なぜか途中で中断したということになります。そのことを指摘されると、オルスは、 「あのロシア人が、もう許してあげようと言ったから、自分はこの日本人を釈放することにした」と言いました。おいおい!だったら、言い訳①の『職務に従い』ってのが、おかしくなるぞ?
 

 さらに踏み込むと、新たな問題が浮かびます。それは、あのロシア人。この場にいないということは、あのロシア人には捜査の手は伸びていないのでしょう。あのロシア人は、自分は警官だと名乗っていましたが、実際には警官ではありません。キルギスの人口の数パーセントはロシア系ですが、ロシア系の人が警察官や国家公務員になるのは滅多にないことだそうです。
 警官を名乗り、私に暴行を加え(そんなに痛くなかったけど)、拳銃のようなものを携帯し、罪も無い旅行者からお金を巻き上げた後、本物の警官と仲良く消えていったあのロシア人・・・。何者なんでしょう?カジノの用心棒か何かかな?できることなら、あのロシア人も一緒に捕まえて欲しかったですね。でも、オルスが、関係を否定したので、捕まえるのは簡単ではなさそうです。
 

 午前は、これだけで終わりました。また午後に来るようにとのこと。警察署を出ると、玄関先にオルスがいました。身構える私たちに、オルスは握手を求めてきました。私は拒否しましたが、飯田さんは握手に応えてました。あららら、オルスのパフォーマンスに乗っちゃった!? オルスの隣には、彼の上司がいて、私たちに申し訳なさそうな顔をして立っていました。
 オルスは、握手をしたことで、友好的な関係を築けたとでも思っているのでしょうか?それとも、上司に自分の無実をアピールしただけでしょうか? 何も悪そびれた様子を示さず、演技っぽい余裕さに満ちた顔で、上司と一緒にいなくなりました。

その後の捜査・・・ 

1月10日 朝から警察に呼び出されました。向かったのは、私と飯田さんとトルクンさん、そして、さくらちゃん。通されたのは、お偉いさんのところではなく、捜査にあたる捜査官の部屋。昨日の若い捜査官ではなく、中年の気難しそうな人でした。これまでの調書を読んだ上で、また調書の取り直しです・・・。

 質問の相手は、主にトルクンさん。その間、さくらちゃんの面倒を飯田さんと私で見ます。さくらが泣きでもすれば、捜査官も早めに聞き取りを切り上げるかと思いましたが、全く気にすることはなく、飯田さん、私、トルクンさんそれぞれの調書を取るのに、3時間近くかかりました。さくらはお腹が空いてか?グズり始め・・・、飯田さんは、ちょっとご機嫌斜めでした・・・。

飯 「ねぇ、ウルマットさん。今日、トルクンさんは、通訳として呼ばれたんですか?だったら、失礼な話じゃないですか!?」
ウルマットさん 「いいえ、彼女は、証人ですから。」


 確かに、飯田さんが言うのも解らなくはない・・・。言葉の解らない私たちには、トルクンさんが通訳として使われてるかのように見えました。しかし、実際には、すでに書かれている調書の確認を行う為の証人だったというのです。何回調書を書けば気が済むのでしょう・・・?でも、まぁ、これで調書書きは終了かな??

 明日から本格的な捜査が始まるようです。明日っていうと、11日です。内務大臣は、12日までに捜査を終えると言っていましたが・・・。捜査にあたるビシュケク市警は、10日の時点で、「いつまでビシュケクに留まれる?20日までいれるか?」なんて言ってました・・・。なんだか長くなりそう・・・。

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 その後・・・、翌日だったかな?11日(?)の午前に、もう一度警察署に呼ばれました。が、呼ばれた時間に出向いたのに、また午後に来てくれとのこと。市内で新生児の遺棄事件が発生し、そちらの初動捜査で忙しいらしい・・・。午後に出向くと、調書の内容の再確認などが少しありました。捜査はまだ始まってなさそうです・・・。

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1月12日 容疑者オルス・モエドノフが目撃されました! 場所は、さくらゲストハウスの近所。目撃者は、トルクンさん。

ト 「今日、私、オルス見ましたよ。奥さんみたいな人と歩いてた。私に気がついたはずなのに、あの人、何も言わなかったよ。」
心 「まだ捜査の手は伸びてないようですね・・・」
飯 「今に、ギャフンと言わされますよ。」
心 「内務大臣は、今日12日に決着って言ってたのにねぇ・・・」


 その後、1週間があっという間に過ぎました・・・。一体全体、捜査はどうなっちゃってるんでしょう?私が捜査官だったら、さくらゲストハウスの近所の売店(事件発生時に仲裁に入ってくれたおばちゃんの店)で1日張ってれば、簡単にオルスを捕まられると思うんですけどねぇ・・・。内部調査だから、そういう風にもいかないんでしょうけど。いったいいつまで待たせるつもりなんでしょう??

キルギス内務省・粛正課とビシュケク市警・内部調査課 

ひとつ前のエントリーの続きです。

 1月9日の朝一番で、タジク大使館にパスポートとビザのピックアップに向かいました。これから、キルギスの警察機関に出向くというのに、身分証なしでは話になりません。親切なタジク大使館の領事さんは、営業開始の9時ちょうどに訪れた私たちに、しっかりとビザを用意していてくれました。なんて、仕事のできる大使館でしょう!

 9時45分のアポイントにあわせて、日本大使館へ。大使館に着くと、領事の若山さんと領事担当のウルマットさん、そして飯田さんと私で、キルギス内務省の立派なビルに向かいました。日本の霞ヶ関の○○省□□省にも何度か行ったことがありますが、ちょうど、日本の外務省のビルみたいな雰囲気でした。
 まず通された部屋は、内務大臣の部屋。恰幅の良い大臣の周りに、これまた恰幅の良いお偉いさんたちが並んでいました。内務省の粛正課(凄い名前!直訳するとこうなる)の課長、ビシュケク市警察副署長、といった人たちと、肩書きは忘れたけど、同じようなお偉いさんが他に2人。

大臣 「今回の件は、とても残念に思います。早急に捜査にあたりますので、あと3日間時間を下さい。」
若山領事「飯田さんと伊東さん、まだビシュケクには留まれますか?」
飯 「できるだけ早く出たいところですが、3日間なら大丈夫です。」
心 「私は、あと1週間ぐらい大丈夫です。」


 大臣が、3日間での捜査を宣言しました。つまり、1月12日には決着させるってことです。 『ホントかなぁ・・・?』 どこの国でも、お役所仕事は遅いものですが、キルギスのような旧社会主義国では、特に遅いんですよね・・・。でも、まぁ、あのオルスと名乗る警官が、本物の警官であることは間違いないですし、さくらゲストハウスの近所に住んでる(トルクンさん&売店のおばちゃん談)らしいので、オルスが捕まるのも時間の問題でしょう。もしかしたら、本当に12日までに決着するかも知れません。

 内務省の後に向かったのは、ビシュケク市の警察署。ここでもお偉いさんの部屋に通されました。役職は忘れましたが、警察署長だったかと思います。簡単に事件の経緯を説明した後、署長(?)は、低い声で部下に捜査を指示し、私たちは、また別の部屋に通されました。
 今度は、内部調査課みたいなところの課長さん。若山領事、ウルマットさんが事件の経緯をまた少し詳しく説明し、2つ3つ、私たちにも事実確認の質問がありました。途中で、若山領事は退出し、ウルマットさんを通訳に、私たちへの質問が続きます・・・。

課長さん 「ところで、その奥さんってのは?重要な証人なんだが。」
ウルマットさん 「さくらゲストハウスという日本人男性が経営する宿の奥さんで、日本語も話せる方です。」
心 「あっ、ウルマットさん。あの・・・。トルクンさんは、安定期前の妊婦ですので、私たちとしては、彼女をこの捜査に深く関わらせたくないんですけど・・・。」
ウルマットさん 「そうですか、伝えてみます。」
課長さん 「いやいや、そのトルクンって人が重要なんだよ。必ずこの場に来て欲しい!」


 という訳で、私の希望は通らず、トルクンさんも証人として、捜査に呼ばれることになりました。まぁ、トルクンさんが酔っ払い警官と言い合ってた訳ですから、トルクンさんなしで捜査が進まないというのも当然ですけど・・・。午前の聞き取り捜査はこれで終了。午後2時45分に、大使館の車が、さくらゲストハウスに迎えに来てくれることになり、昼食の為、一旦解散。
 
心 「ずいぶんと大掛かりな捜査ですねぇ。」
飯 「当り前ですよ。あんな警官、逮捕されて、刑務所にブチ込んだれば良いんですよ。」
心 「しっかし・・・、なかなか料理出てきませんねぇ・・・」


 宿の近くのBMWカフェなる小洒落たカフェで昼食を取ったのですが、40分も料理が出てこず、せっかくの美味しい食事を5分で掻き込むハメになりました。慌てて平らげた後、宿に走って戻り、迎えに来た大使館の公用車で、再び警察署へ。もちろん、トルクンさんも一緒です

 ビシュケク市警察署で、午後に通された部屋はまた別の部屋でした。ダルマさんのような丸々としたお偉いさんと、若くていかにも捜査官!といった感じの警察官がおり、また1から証言の取り直しが始まりました。トルクンさんと、大使館のウルマットさんがほとんど受け答えしたので、私たちは、隅に座っているだけ・・・。1時間半ほど、あれこれ質問されていたトルクンさん。後から話の内容を聞いてみると、私たちも知らなかった内容を捜査官に告げたんだそうです。

ト 「私ね、あの警官に言ったんですよ。あなた酔っ払ってるでしょ?って。そしたらね、あの人『自分は夜勤の仕事が終わったから、飲んでるんだ』って言ったんですよ。」
心 「ホントに?じゃぁ、すぐに捕まりますね、あの警官。7日の晩に夜勤だった警官なんて、すぐに解るでしょう?」
ト 「それとね。なんで飯田さんを連れて行くのか?って聞いたら、『自分の奥さんが、この前外国人に1万ソム盗まれたから、その犯人が飯田さんに違いない!』って言ったのよ。」
心 「奥さんがいて、さくらゲストハウスの近所に住んでいて、1月7日の晩に夜勤だった警官って訳ですね。捕まったも同然じゃないですか。」


 この日の聞き取りは終了。さぁて、どうなりますかねぇ・・・?
 
 明日の朝にでも捕まってるんじゃないかな?そりゃないか?? 

在ビシュケク日本大使館とキルギス海外協力省 

ひとつ前のエントリーの続きです。

 1月8日の昼に、飯田さん自ら、日本大使館に電話しました。通常、事件事故は、まず警察に報告するところですが、今回は、その警察が騒動の発端ですので・・・。日本大使館は、「今後、邦人が同じような被害に遭わないとも限らないので、今回きっちりと対処しましょう。」という方針で、私たちを扱ってくれるそうです。

 で、飯田さんと私と疋田さん3人で大使館に行きました。大使館側からは、領事の若山さん始め、領事担当官の薄井さん、領事担当兼通訳のウルマットさん、たまたまカザフスタンから来ていた日本大使館のお医者さん(名前は忘れちゃいました)、何人も出てきてくれました。飯田さんの口から、事情を詳しく説明し、飯田さんと私、それぞれが報告書を書くよう言われました。
 数時間前に起こったことなので、こと細かく報告書を書いていく飯田さん。それを見ながら、サラリと簡単に書き上げた私。私たちの報告書は、ウルマットさんにより、ロシア語に翻訳され、大使館のレターヘッドが入った紙に印刷されました。これを持って、キルギスの海外協力省(だったかな?)に報告に行くというのです。
 今回問題なのは、賄賂を請求されたことだけではなく、酔っ払った警官が腕に青アザがたくさん残るほど、暴力的に連行しようとしたこと。このような警官がいるようでは、安心して外国人がキルギスを訪れられませんよね?

 ロシア語で書かれた報告書がまとまるとすぐに、大使館の方々が、キルギスの海外協力省に向かいました。海外協力省ってのは、キルギスが他国から受ける援助などなどの窓口機関のようなところだそうです。キルギスは、海外からの援助によりインフラ整備、産業の育成が図られているまだまだ若い国。その援助元で、最大なのが日本です。日本のODAが入らなくなると、キルギスは困窮してしまうのです・・・。
 海外協力省に向かった人の中には、若山領事もいました。大事な大事な援助国である日本の大使館から、事務方No.1の領事が出向いた訳ですから・・・、キルギス政府もそれなりの対応を迫られることでしょう。

 で、一旦宿に返された私たちの元に、電話が入りました。 「明日、内務省のお偉いさんと会った後、警察署で本格的な捜査が始まります。」とのこと。
 うぅ~ん・・・、なんだか、話が大きくなり過ぎでないかい・・・?? あまり被害者意識のない(実際に被害はない)私・・・、ちょっと気が重たくなってきました。が、その反面、この騒動を決着させたい気持ちも一杯でした!私は、キルギス入国直後に立て続けて、兵士たちからモノを盗まれていますからね!この国の役人の腐敗を粛正してくれるなら、万々歳です!!

キルギス、酔っ払い警官に絡まれる 

ビシュケクで起こった災難の話をしてませんでしたね。

 事の発端は、1月8日・・・。同宿の“ヒゲさん”こと、飯田さんと一緒に、ビシュケク市内にあるタジキスタン大使館へビザの申請に行きました。トロリーバスで20分ほど、到着した大使館では、親切な領事さんが丁寧に応対してくれました。ビザの発給は、翌日という仕事の早さ!素晴らしい大使館です。申請はスムースに終了!パスポートを大使館に預け、またトロリーでサクラゲストハウスへと帰ったのですが・・・。

 宿のすぐ近くにある『GOIN』という中華系デパートを過ぎ、路地に入ったところで、2人組みの男に声をかけられました。若い方の男が、飯田さんに歩み寄ってきて、握手を求めているので、飯田さんの顔なじみだと思いました。が、違った。警官を名乗り、コートの下の制服や警察証を見せたこの男は、私たちに「パスポートの確認だ!」と言い始めました。パスポートはタジク・ビザ取得の為、今タジク大使館に預けているのでありません・・・。私は、パスポートのコピーを見せるとそれでOKだったのですが、飯田さんが言いがかりをつけられてしまいました・・・。

警官「パスポートがないなら、連行する!」(キルギス語で多分こんなこと言ってる)
飯 「だから、パスポートはタジク大使館にあるって言ってるやろう!!」
心 「こいつ、英語解らないでしょう。僕、トルクンさん呼んできます。」


 宿まで2分ほどのところまで来ていたので、私はサクラゲストハウスのオーナー夫人、トルクンさんを呼びに行きました。日本語ペラペラなので、通訳にと。たまたま玄関先にいたトルクンさんと連れて、すぐに飯田さんのもとへ戻ると、飯田さんと警官は、まだ言い合いしてる。「パスポートは大使館!」「ダメだ!」ってな具合・・・。初めにいたもう1人の男(年配)はもういませんでした。

 すぐに、トルクンさんが仲裁に入りました。キルギス語で2人が何を言い合っているのか解りませんが、どんどんヒートアップしていく会話から、どうも良くないシュチエーションのような気がしてきました。この国では、外国人はパスポートの携帯義務があるんです・・・。でも、ビザ申請してるんだから、ないのは仕方ないでしょうに・・・。どうしたものか・・・?と、しばらく傍観者をしていた私の耳に、意外な言葉が飛んできました。

 「もう!この人酔っ払ってるよ!!」とトルクンさん。えっ?酔っ払ってんの?こいつ??

 トルクンさんと飯田さん、そしてオルス・モエドノフと名乗る警官は、路地から表通りに移動しました。「タクシーつかまえますから、皆で一緒にタジク大使館行きましょう。そしたら、あの警官も納得するでしょう?」とトルクンさん。私は、さくらゲストハウスから持ち出してきた情報ノート(旅行者が書き込んだ旅情報が詰まったノート)をめくり、タジク大使館の電話番号を探しました。警官に電話させて、あの親切なタジク大使館の領事が「Mr.イイダのパスポートなら、ここにあるよ。」と言ってくれれば万事解決だと思ったのです。でも、残念ながら、情報ノートにタジク大使館の電話番号は載っていませんでした・・・。
 で、飯田さんと警官の方を見ると、なにやら更にヒートアップしてる!?警官は、飯田さんの腕を捻り上げ、道路の向こう側に引っ張って行こうとしています!「あ痛たたた!」飯田さんは、正月に雪道で足を捻挫していて、まだまともに歩けないような状態です・・・。警官にグイグイ引っ張れて行くので、私が間に入りました。

心 「おい!待てよ!落ち着け!」
飯 「腕放せよ。逃げへんっちゅうに!」
警官「来い!警察署に連れてく!!」
(多分こんなこと言ってる)

 警官の前に入り、制止しようとしていた私に、新手の男が近付いてきました。その若いロシア系の男は、警官と何か言葉を交わし握手した後、いきなり!私の顔面に平手を食らわしました!?「痛って!!何や!お前は!?」
 いきなり現れて平手ですよ?私も流石に切れかけました。警官と一緒になって、飯田さんを両方から抱えて連行しようとしているロシア系の男の服を掴んで、思いっきり引っ張りました。「おいコラ!待てよ!!」 私の言葉と同時に、ロシア人は、私に蹴りをくれました。『カァ~ン!』とゴングの鳴る音が頭の中に響きましたが・・・、ロシア人の仕草を見て、次の行動に移すのは止めました。この男、上着で隠してはいますが、ズボンのベルトの内側に拳銃のようなものをチラつかせています。「あっ!こいつも警官なのか!?」

飯 「何やねん!こいつは!」
心 「飯田さん、多分、このロシア人も警官です。」
飯 「はぁ?ポリス?」
ロシア人 「イエス!ポリスマン!」


 とうとう道路の反対側まで連れて行かれた飯田さん。そこにタクシーと一緒にトルクンさんが戻ってきて、再びオルス・モエドノフと名乗る警官と言い合いが始まりました。この警官は、やたらとテンションが高く、今にもトルクンさんを突き飛ばしそうな勢い。トルクンさんは妊婦ですから、絶対そんなことさせないよう、私は言い合ってるふたりの間に入ります。飯田さんは、腕を捕まれたまま、ロシア人に英語で色々と訴えていました。どうやら、このロシア人、片言の英語を話すようです。
 警官2人と、飯田さんと私とトルクンさん。5人が大騒ぎしてるのを見て、近くの売店のおばさんが出てきました。警官とトルクンさんの会話をしばらく聞いた後、そのおばさんも仲裁に入ってくれました。トルクンさんが言うには、この売店のおばさんは、オルスと名乗る警官の顔見知りとのこと。

ト 「なんかね、この人、飯田さんはビンラディンの部下だから、警察署に連れて行くっていってるのよ。酔っ払ってんのよ。」
飯&心 「はぁ?ビンラディンの手下??」
飯 「おい!あいつ、ビンラディンの手下だから連行するとか言ってるぞ!」
ロシア人 「はははは・・・(笑)」


 状況はハッキリしてきました。私たちは、酔っ払った警官の小遣い稼ぎに巻き込まれているのです。「見逃してやるから、○○ソム払え!」という結末が見えてきました・・・。売店のおばさんの仲裁は功を奏さなかったようで、オロスと名乗る警官は、再び飯田さんの腕を掴み上げ、ロシア人とふたりで連行しようとし始めました。三度、仲裁に入るトルクンさん。で、少し言い合った後、予想通りの結末に・・・。

ト 「この警官ね、罰金払えってよ。」
飯 「いくらですか?」
ト 「500ソムだって。」500ソム=約1500円。
飯 「そんなん払えません!だったら、警察署行きますよ。」
ト 「警察署なんか連れて行かれたら、何されるか解らないよ!この警官は、刑務所に入れるって脅してるし。」


 で、仕方なく、私の財布から500ソムを出して、トルクンさんの手から、この警官どもに500ソムを渡しました。ふたりの警官の顔が緩んだのを、私は見逃しませんでした。その嬉しそうな姿を写真に収めてやろうと、私のデジカメを取り出したところ、ふたりはムキになって撮影を拒もうとしました。そりゃそうでしょう、違法行為をしているのは、明らかに向こうなのですから。カメラまで取り上げられたら堪らないので、撮影を諦めたフリをして、その場を立ち去りました。背中を向けたまま、カメラだけ後に向けて、シャッターを2度3度切ります。写真にふたりの警官の姿が映っていたはずですが・・・。周囲は雪で覆われていたため、写真は真っ白にハレーションを起こしてて、残念ながら、何も写っていませんでした。

飯 「ムカつくわぁ~!」
ト 「あの人ねぇ、おかしなことばかり言ってたよ。ただの酔っ払いよ。」
心 「写真写ってませんでした・・・、残念・・・。写真があれば、警察に届けて、即逮捕だったでしょうに。」
飯 「あぁ~、腹立つわぁ~!!腕にアザ残ってるがな・・・、ったくもう!」


 で、宿に戻り、オーナーの疋田さんも交え4人で、事件を振り返っている内に、『日本大使館に相談しよう!』ということになりました。

20070412042340.jpg
写真)アザの残る飯田さんと、腕を掴もうとする私
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